Son House : Father Of The Delta Blues ― 2005/03/24
Son Houseはデルタブルースという流れの中ではCharley PattonとRobert Johnsonとの繋ぎとして扱われる事が多い。しかし、この1902年生まれで1930年に始めてのレコーディングを経験したブルースマンは、彼自身の傑出した力量をそのレコーディングで示している。
その独特のスタイル故に、長く忘れ去られていた古いブルースマンは、1960年代のロックの時代に入り、続々と「再発見」される。別に本人達は「再発見」される必要も無く、淡々と生活していたのだが、ある日突然白人の側に見出されるという事だったろう。これにはイギリスでのロックの発展と、そのミュージシャン達がルーツミュージックとしてロックを捉えた姿勢が反映されており、ビートルズの上陸とも無縁ではないし、アメリカで盛り上がりを見せていた公民権運動とも不可分の動きだった。
このアルバムは、Son Houseの再発見後、1965年に吹き込まれたアルバムである。1930年当時よりも音質は格段に良く、しかも1930年当時のままの力強い演奏が聴ける。お勧めである。
DISK 1
- Death Letter
- Pearline
- Louise McGhee
- John The Revelator
- Empire State Express
- Preachin' Blues
- Grinnin' In Your Face
- Sundown
- Levee Camp Moan
DISK 2
- Death Letter
- Levee Camp Moan
- Grinnin' In Your Face
- John The Revelator
- Preachin' Blues
- President Kennedy
- A Down The Staff
- Motherless Children
- Yonder Comes My Mother
- Shake It And Break It
- Pony Blues
- Downhearted Blues
Son House : Live At Gaslight Cafe,N.Y.C.,January3,1965 ― 2005/03/24
Son Houseは1902年3月21日、ミシシッピー州クラークスデイル郊外のライオンに生まれ、幼少の頃にはニューオリンズに移る。20歳頃にはミシシッピーに戻り、その後ジェームス・マッコイなどからギターを習う。その後、ウィリー・ブラウンやチャーリー・パットンと出会う。
生年月日がしっかり分かっているという事は、当時の黒人の中では至極真っ当な家庭に産まれたと推測が出来る。しかし、その後は波乱万丈の人生を送る。ウィリー・ブラウンやチャーリー・パットンと出会った頃、殺人罪で州立刑務所に収監されたが、模範囚として二年で釈放される。その後、1930年に最初の録音を行なう。この時の録音を集めたアルバムがThe Legendary Delta Blues Session である。この年にロバート・ジョンソンと出会ったらしい。1941年にアラン・ロマックスの手による国会図書館のための録音を行なっており、その後、1964年に「再発見」されるまで、録音などの活動は行なっていないようだ。
このアルバムは再発見された翌年、ニューヨークのガスライトカフェでのライブ録音。当時のアメリカはエルビス・プレスリーのロックンロールのブームが去り、ボブ・ディランが台頭したフォークブームが真っ盛りであり、その影響のためがSon Houseを始めとした弾き語りのブルースシンガーを多数「再発見」の上、排出した時期でもある。
1988年10月19日没。
- Pony Blues
- Motherless Children
- Preachin' The Blues
- This Little Light Of Mine
- Son's Blues
- Death Letter Blues (Incomplete)
- I Shall Not Be Moved
- Levee Camp Moan
- Empire State Express
- Pearline
- Yonder Comes My Mother (When The Roll Is Called Up Yonder)
- Louise McGhee (incomplete)
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