Robert Jr.Lockwood : Annie's Boogie2007/01/19

2006年11月21日、ブルースの偉大な歴史の証人であり、自身も偉大なブルースマンであったRobert Jr. Lockwoodが、波乱に富んだ91年の生涯を終えた。前月まではギグの日程も入っており、80歳を超えてもなお意欲的なライブを行っていた。

個人的には私がブルースという音楽を本気で聴くこととなるキッカケとなった、いわば心の師である。心からご冥福をお祈りしたい。

1974年にThe Acesと初来日を果たしたRobert Jr. Lockwoodだが、このDVDはその11年後1985年の二度目の来日時のライブである。

ライブは今は無き「有楽町そごう」の上にあった「読売ホール」である。ドラムはFred Belowの後釜としてThe Acesに参加したOdie Payne Jr.、ベースはLockwood自身のバンドのメンバーでもあるGene Schwarts、そしてピアノがシカゴのブルースシーンで当時活躍していた有吉澄人である。

すでにTrixから「Dose 12..」という2枚目のアルバムを出していて、演奏もグレッチのギターではなくギルドの12弦ギターが主流だったのだが、どうやら主催者のリクエストでグレッチを使う場面が多かったようである。

このDVDは、すでにビデオとしてブルースインターアクションから発売されていたものをDVD化したものだが、DVDならでわの特典として歌詞が英語と日本語訳の双方をスーパーとして見ることができる。しかもビデオテープ時代よりも価格が安い。何よりなのだ。

演奏内容はThe Acesとのやや緊張感が溢れるセッションよりもリラックスしているのだが、久々にギルドに触るためか、ミスタッチも多い。更に、有吉澄人のピアノが時として出すぎと思える場面もある。ただ、淡々とした中にも深い味わいのある歌は流石だ。ちなみにギルドの12弦ギターは奥さんのAnnieからの誕生プレゼントだという。

その奥さんを先に看取り、死ぬ直前まで活動を行っていたLockwoodに「ありがとう」と感謝の言葉を贈りたい。

  • Gonnna Ball Tonight (Rehearsal)
  • My Daily Wishes
  • Little And Low
  • Drivin' Wheel
  • Everyday I Have The Blues
  • Take A Little Walk With Me
  • After Hours
  • I Don't Know (Song by Odie Payne Jr.)
  • Steady Rollin' Man
  • Aint't Nobody's Business
  • Sweet Home Chicago
  • Hear To This
  • Worst Old Feeling
  • Dust My Broom
  • Selfish Ways
  • Steal Away
  • In The Evening

ANTONE'S : HOME OF THE BLUES2007/01/22

この映像は、テキサス州オースティンにあるブルースクラブ、アントンズでの様子を記録したドキュメンタリーである。基本的には演奏場面も映ってはいるが、多くのインタビューにより、この21世紀になっても、ブルースの火を絶やさずにいる芯の通ったライブハウスの姿を描いたものだ。

だからと言って、詰まらないというものではない。ディヴィッド・ボウイの「レッツダンス」でアルバート・キングと見紛うばかりのギターを弾いていたスティーヴィー・レイ・ボーンは兄のジョン・ボーンと組んで出ていたわけで、その兄はこの映像の中でもスティーヴィーについて語っている。

店のオーナーは白人でクリフォード・アントンと言う。この彼がブルース狂であるのはとても嬉しく、ハウリン・ウルフが亡くなったため仕事が無かったヒューバート・サムリンを店のハウスバンドに雇っただけではなく、自宅に数ヶ月も住まわせたりもしている。ジミー・ロジャースにポンとES-335を贈ったり、ドラムセットを盗まれたドラマーには新品を与えたりもしたのだ。

かって、ヴェートーベンにもモーツァルトにもスポンサーは存在した。クリフォード・アントンはブルースマンのスポンサーのような役割を果たしているのだ。

このDVDでのインタビューを聞くにつけ、亡くなったジュニア・ウェルズが初来日の際、このまま日本に住もうかと言った、というのを思い出す。まさにアメリカ国内でもライブハウスではあるが、ブルースマンのシェルターが存在したわけだ。

深い愛情とミュージシャン個々への尊厳と、その演奏内容への知識、更にその演奏が現在のポピュラー音楽に与えた影響などを適切に語ることができる人間が運営しているライブハウスである。駄目なわけがない。

なによりも、ともすると自分たちの儲けのためだけにミュージシャンを利用する人間が多いなかで、逆にミュージシャンのための店となっているのが、そこかしこから感じ取れる。

楽曲の演奏はあっても、フェードアウトしてしまうものが多い。むしろ良質なドキュメント映画として、ブルースやその周辺の音楽、あるいはアメリカのルーツ音楽に興味のある人は、きっと見て損は無い。もちろんスティーヴィー・レイ・ボーンのファンでもだ。

ソウル・カムズ・ホーム/セレブレーション・オブ・スタックス2007/01/22

実はタムラ/モータウンの音楽よりも、より泥臭くアメリカ南部の香りがするスタックスのR&Bが好きだ。スタックス参加のヴォルトレーベルも含め、世界的にはニューヨークのアトランティック傘下のアトコレーベルから発表されている。

このDVDは2003年5月メンフィスの「スタックス・ミュージアム」創立記念コンサートの模様だ。場所はメンフィス・ソウルの歴史的舞台であるオーフィウム劇場である。

1960年代後半から70年代にかけて、スタックスというメンフィスの黒人レーベルが世界に残した足跡は、シカゴのブルースレーベルであるチェスと比肩し得る。

このレーベルの持つ意味の重さは、タムラ/モータウンの流麗なサウンドとは別の、南部の野太いゴスペルに根ざした音を、ライバルのハイ・レーベルと競って作り出した点にある。

このライブには、そのライバルであったハイ・レーベルからアル・グリーンも参加している。

  • Show Opening
  • Knock On Wood / Eddie Floyd
  • Mr. Big Stuff / Jean Knight
  • You Don't Miss Your Water / William Bell
  • When A Man Loves A Womaan / Percy Sledge
  • Theme From Shaft / Isaac Hayes
  • That Will Be Good Enough For Me / Rance Allen
  • When Something is Wrong With My Baby / Michael McDonald & Carla Thomas
  • (Sittin' On) The Dock Of The Bay / Michael McDonald
  • Soul Finger / the Bar-Kays with Chuck D
  • That's What Love Will Make You Do / Little Milton and Jimmie Vaughan
  • Let's Stay Together / Al Green
  • Love and Happiness / Al Green
  • Green Onions / Booker T. & The MGs
  • Try A Little Tenderness / Solomon Burke
  • Mustang Sally / Solomon Burke with Mack Rice
  • Respect Yourself / Mavis Staples
  • I'll Take You There / Mavis Staples and Ensemble