THE BLUES MASTERS2005/09/01

マディ・ウオーターズの記憶によると1966年1月27日〜28日にかけ、カナダのトロントにあるテレビ局CBC(カナディアン・ブロードキャスティング・コーポレーション)のスタジオで収録されたのがこの映像との事である。ブルース・フェスティバルがアメリカ以外のヨーロッパやカナダで注目を集めていた時代である。 収録されているブルースマンと楽曲は代表的なものである。

  1. I've Got My Mojo Working / Muddy Waters
    ご存知マディ・ウオーターズの代表曲で、ここでの録画は実に気持ちが入っている。特にジェイムズ・コットンのブルースハープの演奏が全体を激しく盛り上げていて、多数残っているマディ・バンドの演奏の中でも「優」なのだ。
  2. Blues Don't Like Nobody / Otis Spann
    マディ・ウオーターズの名ピアニストとして活躍したオーティス・スパンの演奏と歌である。スパンのピアノはきらびやかで派手である。ヴォーカルも上手とは言えない。そのため日本のコアなブルース・ファンからは評価がいま一つであるが、ここでの演奏はなかなかどうしてである。シカゴ・ブルースの仕掛け人であるフィクサーでもあるウィリー・ディクスンがベースを弾いている。
  3. How Long Has That Train Been Gone / Mayble Hillery
    このメンバーの中では紅一点であり、最も知られていないシンガーがこのメイブル・ヒラリーだ。クラシック・ブルース風の歌声である。ギターはブラウニー・マギーが、ベースはウィリー・ディクスンが担当している。
  4. Cornbread And Peas / Sonny Terry & Brownie McGhee
  5. Hooray, These Women Is Killin' You / Sonny Terry
  6. Born And Livin' With The Blues / Brownie McGhee
    サニー・テリーとブラウニー・マギーのコンビである。この時期はアメリカではフォークブームで、弾き語りのカントリーブルースマンが持て囃されていた。このコンビはそうしたブームにも乗ったのか。演奏も無理がなくスムースである。ブラウニー・マギーのギターと歌はかなりモダンでありカントリー・ブルースと言うには無理がある。対してサニー・テリーのブルースハープは野趣満点であり、この二人の微妙なモダンで泥臭いスタイルが、当時の欧米のブルースファン/フォークファンに受け入れられたのだろう。
  7. Tin Pan Alley Blues / Sunnyland Slim
    野太い声とシンプルなピアノ演奏でじっくりと聞かせるのがサニーランド・スリム。来日した際には昔日の面影は薄れていたのだが、元気一杯だったのを思い出す。
  8. T'Aint Nobody's Business If I Do / Otis Spann
    オーティス・スパンによるバラードの名曲の演奏である。こうした名曲だと、やはりヴォーカルの弱さが目立ってしまうのが辛い所だ。
  9. Crazy For My Baby / Willie Dixson
    ウィリー・ディクスンの演奏である。ピアノはサニーランド・スリムらしい。演奏はデジタルのなせる技か、このDVDの狂言廻しを勤めているコリン・ジェイムズなどが画像の中に参加している。これが無ければ・・・・。
  10. Bassology / Willie Dixson & Sunnyland Slim
    DVDのタイトルではこの曲はウィリー・ディクスンだけの演奏で、前のCrazy For My Babyがサニーランド・スリムと名前が併記されているが、この曲はインストゥルメンタルでサニーランドとディクスンの名前を併記するならこちらだろう。
  11. You Can't Lose What You Never Had / Muddy Waters
    You Can't・・・・はマディのボトルネックギターとジェイムズ・コットンのブルースハープが鳴り響く。スローなブルースであり、シカゴ・ブルースの王道という演奏だ。
  12. Bye Bye Baby, Goodbye
    全員でのセッション。

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